知っておきたい!

ペットと安心して暮らすための法律とトラブル防止策

皆さん、ペットは飼っていますか?近年、ペットを家族の一員として迎え入れる家庭が増えています
犬や猫などのペットとの生活は、大きな喜びと癒しをもたらす一方で、飼い主としての法的責任と義務を伴います

適切な飼育方法や法的責任を理解していないと、近隣トラブルや損害賠償問題など、思わぬ事態を引き起こす可能性があります

今回は、ペットと安心して暮らすために飼い主として知っておくべき法律や責任、さらに具体的なトラブル防止策について解説します

ペット・動物に関する法律を知る

ペットを飼育するうえで関係する法律は、意外と多岐にわたりま
ここでは、飼い主が必ず知っておくべき基本的な法律について解説しま
す。

まず、動物の愛護と適正な管理について定めた「動物愛護管理法(動物の愛護及び管理に関する法律)」がありま

この法律は、動物の適切な飼育と愛護、虐待防止を目的としており、飼い主の責任、動物取扱業者の規制、および動物の愛護と管理に関する事項が定められていま

近年、この法律は数回の改正が行われ、飼い主の責任がより明確化されてきまし

2005年の改正では、飼い主の責任として「終生飼養」の原則が明記され、動物をみだりに遺棄したり殺傷したりすることが禁止されまし

また、2022年6月からは、犬や猫を購入する際、マイクロチップの装着が義務づけられまし

これは、迷子や災害時の早期発見、および飼育放棄の防止などを目的としていま
す。

次に、「狂犬病予防法」がありま

これは、犬の登録と狂犬病予防接種を義務づける法律で

犬の所有者は、犬を飼い始めた日から30日以内に自治体に登録し、毎年1回の狂犬病予防接種を受けさせる必要がありま

登録を怠ったり、予防接種を受けさせなかったりすると、20万円以下の罰金が科せられる場合もあるため、必ず守るようにしましょ
う。

た、「民法」においては、飼い主の損害賠償責任が定められていま
ペットが他人に損害を与えた場合、飼い主は損害賠償責任を負う可能性がありま

たとえば、散歩中にペットが他人を噛んで怪我をさせた場合、飼い主は治療費や慰謝料などを支払わなければならないことがありま

民法第718条で、動物の飼い主は、その動物が他人に加えた損害を賠償する責任があるとされていま
す。

さら
に、自治体ごとに「条例」が定められており、ペット飼育に関する独自のルールが存在しま
飼育できる頭数や種類、飼育環境に関する規制など、地域によってさまざまなルールがあるため、お住まいの地域の条例を事前に確認することが重要で
す。

飼い主の責任とトラブル防止策とは

ペットを飼ううえで、飼い主にはさまざまな責任がありま
ここでは、具体的な責任と、それに関連するトラブル事例、そしてその防止策について解説しま
す。

まず、「所有者明示の義務」についてで

先ほども簡単に触れましたが、動物愛護管理法の改正により、犬や猫へのマイクロチップ装着が義務化されまし

これは、所有者を明確にし、迷子や災害時の早期発見に役立つ重要な措置となっていま

マイクロチップは、ペットの体内に埋め込む小さな電子チップで、固有のIDが記録されていま

このIDをデータベースに登録することで、ペットと飼い主を紐づけることができま
す。

次に、「動物の健康と安全の確保」も重要な責任で

適切な食事、運動、衛生管理など、ペットの健康と安全に配慮することが求められま

また、病気や怪我をした場合は、適切な医療を受けさせることも飼い主の責任で

定期的な健康診断やワクチン接種を行い、異変を感じたら早めに動物病院を受診しましょ
う。

「周辺環境への配慮」も忘れてはならない責任で

鳴き声や糞尿などで近隣住民に迷惑をかけないよう、十分な配慮が必要で

特に集合住宅では、トラブルになりやすいため、注意が必要で

鳴き声によるトラブルを防ぐためには、防音対策を施したり、しつけを徹底したり、運動不足解消を図るなどの対策が有効で
す。

また、「他者への危害防止」も重要で

散歩中のノーリードは、事故やトラブルの原因となる可能性がありま

必ずリードを着用し、ペットから目を離さないようにしましょ

散歩中の事故を防ぐためには、リードの着用はもちろん、しつけを行い、人や自転車の多い場所を避けるなどの対策が必要で
す。

近年増加している問題としては、「多頭飼育による飼育放棄」が指摘されていま

これは、飼育可能な頭数を超えてペットを飼い続け、最終的に適切な飼育ができなくなるケースを意味しま

この問題を防ぐためには、飼育可能な頭数の把握、計画的な繁殖(不妊・去勢手術)の実施、飼育費用の確保などが重要で
す。

また、ペットの「所有権トラブル」も珍しくありませ

たとえば、離婚時のペットの帰属問題や共同飼育者間でのトラブルなどがあげられま

こうしたトラブルには、契約書の作成やマイクロチップ装着による所有者の明確化が有効で
す。

ペットとの生活は、責任と愛情をもってこそ、豊かなものとなりま

法律を守り、トラブルを未然に防ぐことで、人も動物も安心して暮らせる社会を目指しましょ
う。